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フラメンコは… 2008/8/29

フラメンコは… 2008/8/29

フラメンコは驚くようなサパテアートや身のこなしなどが人目を引きますが、本質的には民族舞踊であり、老若男女すべての人が楽しめる、自然に即したものです。

文章でよく言われる起承転結の展開が、ソレア、アレグリアス、ブレリアスなどの12拍1コンパスのリズムの中に、はっきりと分かりやすく現れています。重要なアクセントのそれぞれの役割を分かって踊るのと、唯順番通りに踊るのでは、インパクトに大きな違いが出てきます。
起承転結は自然に即した流れです。演ずる人も観る人も無理なく流れに乗れるものです。

カルメラ グレコ 2010/2

今、ミゲロンのスタジオ10周年記念でカルメラ グレコが来日、クルシージョをおこなっている。昨年タブラオ ミ・ヴィダに出演。どういう踊り手か知らず、とにかく観に行ってみた。

そのグアヒーラの踊りを観て、観たこともないアバニコ(扇)の世界にびっくりして、それから観れるだけ観に行った。

踊りを観た後の清涼感。私の生徒は、<心が洗われる>と言ったが本当に言いえて妙なり。どのアートでもそうだが、どのように良いのか言うのは大変難しい。彼女の踊りを観た後で自分の踊りを観ると、不自然な所がことごとく目についてくる。そして不自然な理由、良く見せたい、これが出来る!といった卑しい心があからさまに見えてきて、とても恥ずかしくなってくる。
信じがたいほどの自然さで、決して派手ではないが確かな華があり、そして魂がある。彼女の踊りはそっと秘めやかに魂をさしだしてくれる。

何を大切にしなければいけないか、痛切に思わせてくれる。魂である。そしてそれを的確に表すのには誠意に満ちた本当のテクニックに徹しなければならない。

ヒターノ路線に方針を決めた私がアバニコに吸い寄せられるとは思いもしなかった。
カルメラの自然体はそれだけ深いものである。